わたしにはスタイルがとても良く美人な友人がいる。
スラっと細くて色も白く、目もぱっちり二重だ。
彼女はお酒を飲むのが一日の終わりの楽しい瞬間だと言う。わたしは体質的にお酒を飲めないので、その美味しさがわからない。しかし、さつまあげやどて煮など、おつまみ的な食事は大好きなので「おつまみは何がお気に入りなん?」と聞いたら「おつまみ?いらん。酒だけでええねん」と返ってきた。
ある時、夕食の献立の話になり「うちは今日からあげやわ」と言うのでよくよく話を聞いたら彼女の家では「鶏のささみ」を揚げたものをからあげと呼ぶらしい。(それはからあげじゃないやん)と、わたしは心の中でつぶやいた。ささみのからあげや、ささみフライとはわたしにとって「揚げ物を食べたいけどからあげは重いしな… ささみなら軽いか」という言い訳の塊であり、からあげとは全く異なるものだ。ちなみにわたしにとってのからあげとは「鶏のもも肉」その一択である。
さて、また別のある日、彼女とわたしと他の友人も含めて4人でランチへ行くことになった。友人らはカレーやトンカツを頼み、わたしと彼女は奇遇にも同じエビフライを選んでいた。エビフライはサックサクでとても美味しく、友人らもカレーとトンカツを「美味しい」と言って食べていた。食べ終わって「デザートはどうしようかね」などと話していた時、正面にいた彼女のお皿が目に入り「あっ!」と気づいた。
わたしはタルタルソースをエビフライで拭ってきれいに食べていたが、彼女のお皿のタルタルソースはきれいに残っていた。
ああ…こういうところか… だから彼女は細いしわたしはまんまるなのか…。まさしく「食が人を作る」と思った出来事だった。(だが、わたしは次もきっとタルタルを残さず食べてしまうだろう)