わたしのあたまのなか

わたしのあたまのなかの言葉を書きたい時に書く場所。覚えておきたい出来事やお出かけの記録、おいしいものについてもよく書きます。

眠れぬ夜に思うこと

わたしたちの寝室は、ベットマットを2枚横に並べて、それぞれに夫とわたしが眠る。

我が家ではわたしはモテモテ(古い)なので、上の息子と下の息子がわたしと一緒に眠りたがり、熾烈な戦いが続いた時期もあったが、今では、わたしと日替わりで眠る取り決めになり落ち着いている。

ある日は下の息子とわたしが眠る日だった。

上の息子は夫に似て寝つきがとても良いので、あっという間にすうすうと眠りに落ちるが、下の息子はわたしに似てしまったのか、寝つきが悪い。

さっきまで話していた上の息子がいつのまにか寝ていたので、途端に寝室は静かになった。

わたしの背にもう少しで追いつくほど成長した上の息子だが、まだ1人で寝るのは怖いらしい。

(言い忘れたが、夫はマットに横になった瞬間、おやすみも言わずにすでに寝ている)

 

下の息子は、まだガサゴソと動いている。

寝たふりをしても「起きてる?」と話しかけてくるので、いつものように「起きといてあげるから寝なさい」と言って、息子に巻きつくように抱きしめた。

不思議なことにわたしは息子たちが眠る時の息遣いがわかる。すうすうという呼吸の音のうち、そのすう、という音が一瞬軽くなる時がある。

「あ、これはそろそろ寝るな」と思ったら、次は手足がビクッと動くのを全集中で静かに待つ。

子どもたちはみんなそうなのか、息子たちがたまたまそうなのかわからないが、息子たちは眠りに落ちる瞬間、必ず手足が軽くビクッと動く。

この日は手と足の両方が動いた。

この瞬間が好きだ。

ふっと眠りに落ちるこの瞬間、きっと気持ちいいんだろうな。

いい夢見るかな。

いつもなら、息子から体を離し、こっそりリビングに戻ってゲームをしたり、もしくは自分が眠りやすい体勢を取るのだけれど、今回はしばらく息子に巻きつくことにした。

息子に巻きついて、息子のほっぺたに顔をくっつけてその温かさを感じていた。

温かくて、やわらかい。

寝息がすぐそばで聞こえるのが気持ちいい。

もみあげの柔らかい毛からは相変わらず赤ちゃんの匂いがまだうっすらする。

 

上の息子は今でこそ寝つきはいいが、赤ちゃんのころはそんなに寝なかった気がする。

眠りやすいようにと、背中をトントンとされたり、頭を撫でられるのが嫌いな子だった。ただひたすら息子が寝るまで何もせずに横にいなければならず、暇だった。

もちろんそれは今でも変わらない。

弟とわたしを取り合い「お母さんと寝たい」とまだ言ってくれるが、それは、ただわたしと同じ布団に入るだけ、のことで、髪を撫でたりすると「寝られへんからやめて」と、嫌がる。(わたしは添い寝用のぬいぐるみなの?)

下の息子は赤ちゃんのころ、眠っている時に触れると、すぐに目を覚ましてしまう子だったので、寝ている間に髪を撫でることすら許されなかった。

どれだけ繊細な子なんだろうと心配した時期もあるが、成長した今では一度眠ると何をしても起きないようになった。

なので、この日は思う存分、下の息子のもみあげの匂いを嗅いで、小さい手をにぎにぎして、ほっぺたをぷにぷに触った。

それから、布団から身を乗り出し、夫のそばで眠っている上の息子の髪を撫でた。

とても、とても、かわいかった。

 

最近、やっと息子たちの部屋を作った。

その部屋で兄弟で眠れるようにベッドも買った。

もういつでもそこで眠れる。

けれど、まだそこでは寝たくないといって、その部屋は遊びの専用部屋に今はなっているが、兄弟がわたしを取り合う日々が終わるのは、もうすぐそこだろう。

 

息子たちは、わたしが隣にいることで安心して眠ってくれているようだけれど、実のところ、安心していたのは、わたしの方だ。

上の息子が生まれて12年。

ずーっと子どもと眠る生活が続いてきたけれど、こんな夜も、もうすぐ終わってしまうんだなあ。

朝までゆっくり1人で眠りたい!と思った時期もあったけれど、今はもう少しだけ息子たちとまだ寝ていたい。

幸せだった日々と、これから少しさみしくなる夜を噛みしめるように、目を閉じて息子たちのかわいい寝息に耳をすませた。