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わたしたちの中学受験⑥ 6年生、A中学校でいいの?

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zfinchyan.hatenablog.com

 

6年生、学校選びに悩む

6年生になり、塾は週4日から時に週5日に増える週もあった。

その合間を縫って、息子が行きたいと言ったA中学校へは、それから何度も足を運んだ。

オープンキャンパス、学校説明会、個別相談会、合同イベント…

A中学校のオープンキャンパスに行った時には、そこに通う学生さんたちに直接質問をできる機会があった。息子も自分から積極的に聞いていた。みんなとても楽しそうで、ここに通う息子の姿が想像できるようになった。

ただ迷ったのが、この学校が息子の学力ではわりと簡単に合格することだった。

 

はじめに塾の先生に志望校の相談をした時「息子くんなら、もっと難しいところも行けるよ」と、言われた。わたしたちもそう思った。

が、わたしたち夫婦の間では

「合格がゴールではない」という考えがあった。

もしも合格ラインギリギリの中学校に行ってしまえば、息子はそこから努力して周りに必死についていかなければならない。

そのため、無理をせずに、ある程度の学力の余裕があるところには行ってほしい気持ちはあった。

だけど、こんなにも一生懸命勉強してきたのに、最難関と言われる学校に挑戦しなくていいの?

親の欲、と言われてしまえば、それまでだが、学校と塾を頑張り続けてきた息子だからこそ、その成果を試すためにも難しい学校に挑戦してほしい気持ちもあった。

それに、息子なら、難しい学校でもきっと頑張ってそこでも輝けるだろうという確信もあった。

でも、通うのは息子だ。わたしたちではない。

最難関校や、難関校に行かせたとして「A中学校がよかったのに」という思いを抱かせながら何年も通わせるのか?

そもそも中学受験なんか考えないようにしていたのに、何をいまさら欲を出しているのか

 

ここについては、散々悩んだ。

何が正解で、どれが息子のためになるのか。

何が息子にとって一番良い結果に繋がるのか。

それに、わたしたちは息子の性格をよく知っているので、A中学校に照準を絞った途端、力や手を抜くだろうともわかっていたのも、悩んだ原因のひとつだった。

 

クラスのランクを下げる提案

息子はA中学校一本で受験に挑もうとしていた。塾の面談では

「息子くんはそれでもいいけれど、親御さんは第二志望、第三志望を考えてあげておいてください。もし、第一志望に落ちた場合、地元の公立に行くという選択で本当にいいのか。よく考えて願書の準備をしてください」

と言われた。

帰ってきてから夫と共に息子に問うと、

「A中学校以外行きたくない。もし落ちたら地元の公立中学校に行って、高校受験でA高校を受ける」と言う。

そんなに行きたかったのか、A中学校。

 

その後、再び面談が行われた。

息子が自ら塾の先生に質問をした。

「もし、僕がA中学校を落ちたら、高校でA高校を受けたいんです。高校からは難しくなると聞いていますが、僕でも行けますか?」

遠い先の高校受験のことなので、今の時点では何も言えないのでは…と思ったが、さすがは塾講師。

「息子くんのがんばりとやる気のある一生懸命な姿を先生は知ってるよ。今のままやったら、きっと高校受験でもいい結果は出せると思う」と、息子のがんばりを認めて自信を持たせる言葉をかけてくれた。

塾の先生に「A中学校以外に行きたい中学校もないと言うし、わたしたちも息子が行きたい学校以外に行かせるつもりはないので、一校だけ受けます」と伝えると、ある提案をされた。

「現在、息子くんが在籍するクラスは最難関と言われる中学校を受験する子たちを想定して授業を行っているため、息子くんが受けるA中学校の入試には出ない問題も解く必要があります。(この先生は、入試を想定したテストも作成していたので詳しかった)最難関を受験しないのであれば、一つ下のクラスに移動しましょう」

隣に座る息子を見ると、目が潤んでいた。

それはまるで自分が切り捨てられるような感覚だったようだ。

息子は搾り出すような声で先生に言った。

「でも、このクラスで勉強をするのは好きなんです」

(あとから聞くと、この時半泣きで言葉がうまく出なかったらしい)

先生は言った。

「何も息子くんの成績が落ちたから下のクラスに誘導しているわけじゃないよ。目指す学校のためにならないし、下のクラスだと今より宿題の量も少なくなるから時間を有効に使えるよ?」

宿題が、少なくなる…だと…?

わたしは息子の心が揺れたのを隣ではっきりと感じた。

先生が結論を出すまで時間を下さったので、家に帰って家族で話した。

ここはかなり迷った。

A中学校を目指すというのは、今のランクからは下であるという事実。

理由があるとしても、クラスが下がるのは周りに知られるということ。

けれど、

今より時間の余裕が出来れば、中学から本格的に始まる英語の準備も受験も並行してできる。

みんなに知られようが関係ない。

何より宿題の量が減る!

息子は最後まで悩んでいたが、受験に必要のない勉強をしてどうする?と、クラスのランクを下げる選択をした。

 

受験前の冬の記憶しかない

さて、ランクを下げてから宿題は減ったとはいえ、塾は週4、5日あったし、地獄のように長く続く夏期講習もあったはずだが、5月からわたしが体調を崩し、扁桃腺が1ヶ月間も腫れ続け、毎週病院に通い、検査をしたり、

息子(11)が溶連菌に何度もかかり、時期柄コロナの検査のあとの診察で手間がかかり、

息子(8)の扁桃腺が大きすぎて無呼吸が続き、小児科→耳鼻科→総合病院と周り、夏に入院と手術をしたり…

とにかく春から夏は、家族の扁桃腺がバタバタと続いて悪くなり、あちこちの病院に通い続けた数ヶ月だった。

そのため、5、6、7、8月は、ほぼ記憶がない。

家族にとっても、息子にとっても、塾通いは学校と同じくもはや当たり前のことになっていたので、淡々と勉強をしていたというせいもある。

 

記憶が残っているのは受験前の12月からのことで、終業式前にインフルエンザに家族揃ってかかり、始業式のあとも入試後までは登校せず休んだので、息子たちは年末年始の約5週間を学校から離れた状態で、息子は塾と家でひたすら入試対策の勉強をした。

 

当時の息子は神がかっていて、わたしたちが何も言わずとも赤本を開き、自分でスケジュールをたてて勉強していた。

午前中はここからここまで覚える

ここを暗記したいから、手伝って

お昼ごはんは何時からにしてほしい

この問題が終わったら丸つけと直しをしてから30分だけゲームする

これを半分解き終わったら、英語をする

などと完璧だった。

これなら、体調を崩さない限り合格する

と、私たちも確信を持った。

 

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