わたしのあたまのなか

わたしのあたまのなかの言葉を書きたい時に書く場所。覚えておきたい出来事やお出かけの記録、おいしいものについてもよく書きます。

息子の扁桃腺とアデノイドの摘出手術に至るまで

 

事の始まりは4月の末のことだった

 

突然、私の扁桃腺が約20年ぶりにパンパンに腫れてしまい痛くて眠れない夜が続いた。

暗い寝室で座って家族が眠っているのを眺めていると(横になると息苦しいくらい扁桃腺が当時腫れていた)下の息子(当時8歳)のいびきがおかしいことに気がついた。

元からいびきをかく子どもだったが、前にかかりつけではない耳鼻科にかかったとき、息子の喉や鼻を診たお医者さんからいびきの有無を問われ「正常な子どもはいびきをかかないんですよ。扁桃腺とアデノイドの手術を考えてみては?」と、言われたことがあった。

けれど、その後かかりつけの小児科でも相談したが様子見でよいと言われ、かかりつけの耳鼻科でも、それについて何も言われたことがなかったし、何より息子は扁桃腺が大きいものの、腫れたことが一度もなかったので、様子見をしていた。

しかし、その夜はおかしかった。

このいびきはいつからだったのだろう。

それはまるで、睡眠時無呼吸症候群である夫と同じようないびきだった。音が大きいのではなく、息が吸えていない音だ。

文字にすると、ぐがーといういびきではなく、

こぉぉぉという細く苦しそうないびきだった。

息が思うように吸えてなくて、まるで溺れているように時々ハッと息を吸うがその反動で体が動くほどだった。たびたび無呼吸になる夫にいつもしているように、息子の体を仰向けから横向きにするといびきはおさまったが、様子を見ていると、やはり横向きでも息が止まったり、いびきをかいている。

その晩から、息子が寝ついて例のいびきが始まると体を横向きに変えてみたり、または赤ちゃんを寝かしつけるように私の膝の上で抱き抱えてみたり、枕を新調してみたり…。寝ている息子がどうにか息を吸いやすいように、手探りで正解を探して工夫をする毎日だった。

 

 

まずは小児科へ

とりあえず、いびきの様子を携帯に録音して、毎月喘息の薬をもらうために通っているかかりつけの小児科で相談すると、

「確かに扁桃腺は標準より大きいけど、体はしっかり成長しているし(扁桃腺が大きすぎると食事をすることに支障が出て標準体重に届かない場合がある)今だけのことなんじゃない?」といつものように言われた。しかし携帯に録音したいびきの音を聞いてもらうと、「確かに苦しそうだね」「睡眠障害が続くと、学習障害や心臓肥大に繋がるし、一度耳鼻科で相談してみて」と、言われ、かかりつけの耳鼻科へ。

私は息子の扁桃腺の大きさが原因だと思っていたので小児科に行ったが、小児科の先生曰く、鼻の奥のアデノイドが大きいことが原因かも知れない、それは鼻からカメラを入れないと見ることができないから、ということで耳鼻科を薦められた。

 

次に耳鼻科へ

かかりつけの耳鼻科でも「確かに扁桃腺は大きいが手術は必要ない。成長するうちに喉も大きく成長するから、いずれいびきも解消するだろう」と、アデノイドすらも診てもらえなかった。

でも最初に寝息のおかしさに気づいてから毎晩苦しそうなことが気がかりだったので、それを話して録音したイビキの様子を聞いてもらうと「じゃあ、もう少し大きい病院で検査をしてください。そこに意見を委ねましょう」と、紹介状を書いてくれた。

その総合病院の耳鼻咽喉科の診察日の予約がとれたのは6月の初めのことだった。

 

そして、総合病院へ

「でかいね、これは」

総合病院の耳鼻咽喉科の診察室でお医者さんは息子の扁桃腺を見るなり唸った。

「でも、耳はきれいだね。よかったね」

聞くと、扁桃腺が大きい子は耳の中も腫れやすいらしい。確かにうちの息子は中耳炎などの耳の病気にかかったことがない。

続いて「先生のこと蹴らないでね~」と言いながら、息子の鼻にカメラを入れた。(痛さや恐怖で蹴るこどもがたくさんいるんだろうな、と思った)

「ああ、アデノイドも大きいですね。鼻の8割を塞いでますね」

そして息子の鼻からカメラを抜いて、

「これはかなり苦しいと思います。手術で寝息も楽になると思います」と言った。

続いて、

10日間くらいの入院になるので、大体皆さん夏休み中にされます。それと、付き添い入院をお願いしたいのですが、よろしいですか?」

10日間という長さにもびっくりしたが(なんとなく5日くらいで済むのかと思っていた)付き添い入院させてくれるんや!とホッとした。

うちの息子は色々気にしてしまう繊細な性格だったし、コロナの中、そう簡単にお見舞いも出来ないだろうから、私自身も息子の初めての手術をする中で10日も離れるのは不安だった。

上の息子のことと、私が不在の間、夫が仕事を休めるのだろうかと気にはなったが、なんとかなるだろう。「大丈夫です」と告げると、すぐに手術の日取りが決められた。

手術日は、夏休みが始まってすぐの日に決まった。

手術は不安だったが、

毎晩息子のいびきが気になり、ひどい時には抱き抱えて座らせて寝かせることもあった。私自身も寝不足が続き疲れていた。私が疲れて深い眠りに落ちて息子のいびきに気がつかない時や明け方などは、夫が息子の体の向きを変えて息がしやすい体勢を探っていた。

何より、いつかこの大きな扁桃腺が腫れてしまった時には、扁桃腺が喉を塞いで息子が息ができなくなるのでは?と、怖くなる日もあったので、やっと日取りが決まって光が見えた気がした。

 

こうして、息子の扁桃腺とアデノイドの摘出手術と私の付き添い入院が決まった。

 

手術の手順は、

まず喉の上の奥の方にあるアデノイドを先にギロチンのようなものがついた器具を喉の奥に入れてスパッと切り取り、

次に口の中の頬の裏側を切って、中に埋まっている扁桃腺を切り取り、頬の傷は縫わずに露出した血管を糸で縛る、という説明だった。

それは確かに10日は入院しないといけないよな、と思った。説明を聞いているととにかく痛そうだったが、その日の夕方には水分とゼリーが食べられると聞いて、少し安心した。

 

このブログは、同じように扁桃腺が大きい上の息子が、いつか手術を受けるかも知れないので、手術、入院に必要なものを覚えておくため、そして、家族4人でがんばって乗り越えた2023年の夏の記録として書き残すことにした。

 

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