わたしのあたまのなか

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大人になってから英検3級に挑戦したこと③

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【夫、私の秘密をバラす】

 

10月中旬の1次試験の日程も近づいていたある日、夫の親族と集まる機会があった。夫のお母さん、弟くん、お兄さんのご家族、そして私たち。(夫は三兄弟の真ん中だ)

夫の実家で和やかにお寿司などを囲んでいたところ、ある時何かの会話がきっかけで夫が突然言い放った。

「うちの妻は英検3級に挑戦するんやで」

「??!」

なぜそれを言うのだ。

実は、私は、夫と息子たちにしか英検のことを話していなかった。親に言うことでもないし。夏を過ぎてからまたよく会うようになっていた幼稚園時代のママ友たちにも言わなかった。

つまりは夫と息子たちの他には、誰にも話していたかったし、話すつもりもなかったのだ。

なぜか。

それは、もちろん不合格だった時に備えて、ということもあるし、挑戦するのが1級であれば「わー!すごい!」ともなるが、3級(しかも大人が)とは、聞いた方もどうリアクションしていいかわからないだろうと思ったからである。

案の定お兄さんのご家族は「これから始める仕事に必要なの?」と、優しい推測をしてくださったが、あの…このままでは、頭が…錆びてしまいそうで…という、理解しにくい理由しか答えられず気まずい空気が流れ、非常に申し訳なかった。

あとで、こいつ(夫)を、どうシメてやろうか…

勝手に、私の秘密をペラペラと喋った夫に、はらわたを煮えくりかえらせていると、中3の甥っ子くんは、すでに3級を持っていることが発覚!

この子はライティングもそのあとの2次試験の面接も乗り越えたんだ!すごい、すごいよ!あんた立派な人だよ!と、英検漬けの毎日を送っている私の心の中はこれくらいのテンションだったが、そのテンションで話しかけると引かれてしまうことが確定しているので、「すごい!すごいね!!」と言うに留まった。

本当は、ライティングについてや、面接のお題など具体的に聞きたかったが、私が同年代のいとこだったらまだしも、1年に1回しか会わない歳の離れた叔母という立場であるため、距離は縮められずに終わった。

しかしながら面接はとても緊張したとの情報はゲット。そうだよね、やっぱり緊張するよね。ちなみに甥っ子くんは小学生のころから英語を習っていたと聞いたことがある。

それでもやはり緊張するんだなあ…

私が目指しているこの山(3級)はもしかしたら自分には高すぎたのかもしれないな…と、まるで山を仰ぐように夫の実家の天井を見上げた。

 

 

【そして、とうとう試験日の前日】

 

 

前日はライティングをひたすらやった。

ライティングを解いている時私はWhat〜?で聞かれると答えやすいなーと感じていた。例えば、将来何になりたいですか?どんな果物が好きですか?などだ。実際、私が辿り着いたサイトの例題も、Whatで始まるものが多く、答え慣れていたのかも知れない。

逆に一瞬うっと悩むのはDo〜?で始まる文だ。例えば公園に行きますか?などである。なぜ答えに詰まるかうまく説明できないが、なぜかDoで聞かれると「ええと…」と書き出しに詰まってしまったし、例題も少なくて答え慣れないままだった。

 

 

【嘘でライティングを攻略する】

 

 

ちなみにこのライティングは嘘をついていい。嘘、と言うと語弊があるかも知れないが、要は質問と答えの内容とその英文の作り方さえ合っていれば、私の本当の好みや本当の将来の夢なんて1mmもそこに必要ではないのだ。

というわけで「あなたは将来何になりたいですか?」の質問に対応するために、私はpolice officerのスペルを間違わないように必死に練習したし、「どの季節が好きですか?」の質問に対しては、海やキャンプが好きだからと理由もわかりやすく書きやすいので、本当は大っ嫌いな夏を、夏サイコー!のテンションで英文を綴り続けたのだった。

 

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