夏の眉のおはなし
わたしは普段ドラッグストアで手に入るメイク用品類で生きている。というのも、ちゃんとお化粧を始めたのが息子(14)が幼稚園に入った時から、という周りとは遅いタイミングだったため、今もまだ何をどうしたらいいのやらあまりわかっていないからだ。
肌が荒れずに簡単に手に入る物ならそれでヨシ、と特にこだわりなく毎日のメイクをしていたのだった。
さて、わたしはここ数年眉を100均で手に入るアイブロウパウダーで描いていた。描きやすいし色が気に入っていたのだけど、夏になると顔に大汗をかくわたしは、描いたはずの眉が消えているのが気になってはいた。
とは言え、わたしは眉毛が無いわけではないので消えても問題ないのだけど、自分の眉の形で気に入らない箇所を描き足していたため消えてしまうと鏡を見るたびに「うーん」とモヤモヤしていたのである。
もう何年もこの「うーん」を繰り返していたのだけれど、やっと重い腰をあげて消えないアイブロウパウダーとやらを調べて、口コミのよかった1300円のアイブロウパウダーを購入することにした。
おそらく1300円のアイブロウパウダーも数あるメイク用品の中ではまだお手頃の値段のものだろうけれど、これまでたった110円で描かれていたわたしの眉からすると、およそ13倍にも格上げされた超高級品だ。
ドキドキしながら使った1300円のアイブロウパウダーは、なるほど描き心地が全然ちがう。思ったよりも暗い色だったので、油断すると濃くなってしまう。これはまだ練習が必要だな。なんとか眉を自分の気に入った形に整えていざお仕事へ。いつもならヘトヘトの仕事終わりだけど、この日は家の鏡で眉の具合を確認するのが楽しみでわくわくしていた。
帰宅して鏡を覗きこむ。果たして1300円の眉は、全く消えないかというとそうではなかった。薄く残っている…というかほぼ消えている?話がちがうではないか!いや、もしかしたら、わたしの顔にかく汗の量がすごすぎるだけかも。
そんなわけで、とにかく顔と首に大量に汗をかくわたしは、夏の間はイマイチの眉で過ごすしかないらしい。それとも、別の汗に強いアイブロウパウダーを探して試してみるか。
夏の眉の行方に悶々とする毎日だ。
久しぶりのモーニング
我が家は今息子たちが2人揃ってテスト前を迎えている。
もちろんそうなると週末にお出かけ、なーんてことは出来なくなるわけだけど、ずっと家にいても煮詰まってストレスが溜まってしまう。そこで、ある日曜日の早朝、夫が「コメダでモーニングを食べながら勉強しよう」と、息子たちを起こした。息子たちや夫と違って勉強する予定なんて全くないわたしだったけれど、ちゃっかりモーニングはご一緒させていただくことにした。

日曜日の朝7:30
コメダのモーニングはこれまでに何度か食べているのだけど、わたしはずっと食パン+おぐらあんがお気に入り。ちなみに夫もおぐらあん、息子(14)は食パン+ゆで玉子、息子(11)は食パン+たまごペースト。親であるわたしたちはあんこ好きで、息子たちは卵が好き。でもバターが好きなのは一緒だ。
コメダのテーブルは少し狭めなので、4人でぎゅうぎゅうに座ってモーニングを食べる。熱いカフェオレが起きたての体に沁みる。いつもならミルクティーしか飲まないのだけど、コメダに来たらカフェオレがいい。お昼にお茶をするなら、蜂蜜アイスコーヒーも美味しい。
朝から元気に冷たいクリームソーダを飲んでいた息子(14)が、ソフトクリームをスプーンですくってわたしのトーストにちょこんと載せてくれた。サクサクでまだ温かい食パンに冷たいトロトロのソフトクリームがとびきり美味しい。
今からここで勉強をするだけなのに、場所が家からコメダに変わるだけで息子たちはとても楽しそうだ。
食後は息子たちは勉強を始め、夫は読書録をまとめると言うので、わたしは家から持参した本を読むことにした。

途中、本に飽きたので雑誌を読んだ
何かとお騒がせな週刊文春を初めて読んだけれど、意外といろんな人の連載があっておもしろいと知った。最近、美容室ではカットしかしなくなったので、雑誌を読む機会が全くなかったけれど、これからはこういう時に読めばいいのだな、と思った。
息子たちは休憩を挟みつつ、しっかり勉強がはかどったようなので…

9:30ご褒美のシロノワール
ところで、シロノワールもすっかり値上げされていて行くたびに高くなっているように感じる。どこもそうだから仕方ないとは言え、美味しい!よりも、こんなに高かったかなあ?と、まず首をかしげたくなってしまうのが悲しい。
しかも、メニューを見たら、去年の9月に行った時には1000円だった大好きなみそカツパンが、また値上がりして1020円になっていて思わず夫と顔を見合わせてしまった。
なんでも本当に高くなった、と思いながら食べた久しぶりのシロノワールは、熱いデニッシュと冷たいソフトクリームが最高に美味しかった。値上げばかりでしんどいけれど、またいつかこうしてみんなでゆっくりモーニングを食べよう、と息子たちと約束して、コメダを後にしたのだった。
空飛ぶ粒より小餅
先日、夫の父のお墓参りに行くことになった。
前日の金曜日の仕事帰りにスーパーに寄り、お供えするお花を買い、夫の父が大好きだった大阪のお菓子「満月ポン」を探すものの見つからない。何がいいかな?と、仕事中の夫にLINEをしたら「おかきがいい」という返事がすぐに返ってきた。
おかき、おかき…って、これ夫の父のためというより、お供物をあとで食べる気満々の夫のためだよな?と思いつつ、選んだのがこれである。

粒より小餅
さて、お墓参りに行く土曜日の朝は、すっきり晴れた青空だった。夫の父のお墓は山の中の開けたところにあるので、日当たりがとてもよく気持ちがいい。いつものように、夫の父が大好きだったビールと、お花、それに粒より小餅をお供えして、手を合わせる。
こんなに晴れた日ならさぞかし喉も乾いているだろう、と、お供えものをすぐに下げずにしばらく置くことにしたその時である。「あっ!!」という夫の声に顔を上げると、わたしたちがほんの一瞬目を離したその隙に、どこからかやってきた大きなカラスが粒より小餅をガシッっと足で掴み飛んで行ったのだ。
「俺の粒より小餅ー!!」夫は叫んでカラスを走って追った。けれど、賢く空飛ぶカラスが捕まるわけもなく、すいーっと山の木の向こうに悠々と飛んでいった。雲ひとつない青空に黒いカラスとオレンジの粒より小餅が映える。わーわー言いながら諦めずに墓地の端までカラスを追う夫。
その全てがあまりにも一瞬の出来事で、気づいた時には笑いが止まらなかった。
一体あのカラスはわたしたちから奪った粒より小餅をどうやって食べるつもりなのだろうか。山の緑に囲まれてオレンジの袋はさぞかし映えていることだろう。
夫は、帰宅したら食べようと狙っていた粒より小餅をカラスに奪われてぷんすか怒っていた。それにしても、いつからカラスは狙っていたのか。わたしたちの動向を、どこかの木の上からじっと見てあのオレンジの袋に全集中していたに違いない。全く油断も隙もないとはこのことだ。
お供物を奪われてしまった夫の父も、あの一瞬の出来事に、いつものようにグフッと肩を揺らしながら笑っていることだろう。