わたしのあたまのなか

わたしのあたまのなかの言葉を書きたい時に書く場所。日々のこと、美味しいものや旅日記、好きな海外ドラマについても書いてます。

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不思議な夢のはなし

 

ある土曜日、家族で近くのスーパーへその日の晩ごはんのお買い物に行った。レジを済ませて買ったものをエコバッグに詰めて出口へ向かうと、生花が売られていることに気づいた夫が、ふと「お墓用のお花もここで売ってるんやな」と言った。その瞬間、それまでは忘れていた今日見た夢の断片が突然あたまのなかを駆け巡った。

 

そうだ、わたしは今日すごく気になる夢を見た。誰かは分からなかったけど、誰かがお墓参りに来て欲しいと言っていた。さみしい、さみしい、と。あれは誰だった?

 

夫にそのことを話すと「おばあちゃんしかおらんのちゃう?」と言う。わたしにとっておばあちゃんは父方母方と2人いるけれど、夫が指す「おばあちゃん」とは、母方のおばあちゃんのことだ。なぜなら、このばあちゃんはものすごく自己主張が強かった人だった。自分の欲望や要望は全て通すように周りを動かす我の強い人で、生きている間はわたしを含む家族全員が振り回されっぱなしだったからだ。

言い方は悪いけれどわざわざ夢に出てきてと言うとしたら、あのばあちゃんしかいない。けれど、わたしはどこか引っ掛かっていた。あの夢、ほんまにばあちゃんやった?

 

とは言え、母方のばあちゃんとじいちゃんが眠る墓地には、実は父方のおばあちゃんとおじいちゃんも眠っている。

父方のお墓は、元々兵庫の山の上にあった。なんでも、おじいちゃんとおばあちゃんがまだ若かったころドライブに行った兵庫の山の上からの景色があまりにもきれいだったらしい。わたしが2歳の時に亡くなったおばあちゃんに美しい景色をずっと見せてあげたいと、おじいちゃんがその山の上にあったお墓をおばあちゃんのために買った。

お話としてはとても素敵だけど、そこまで行くにはあまりにも不便だったので、おじいちゃんが亡くなってしばらくしてから、母方のばあちゃんたちが眠る霊園にお墓を買って移したのだった。

そんなわけで、夢の中の人が誰であれ、ばあちゃんたちのお墓参りに行けば間違いはない気がする。夫の父も亡くなってしまっているけれど、なんとなくそうではない気がした。

 

翌日の日曜日は何も予定がなかったのもあって、夫が「明日お墓参り行こう」と言ってくれたので、お供えやお花を買って翌朝お墓参りへ車で行くことにした。

 

昨年の12月に来て以来だったばあちゃんとじいちゃんのお墓に行くと、親戚のうちの誰かが来てくれていたのだろう。草もほとんど生えていなかった。いつも通り掃除をして湯呑みの中のお水を変えようとして、その空っぽの湯呑みを見てハッと気づいた。

今、ばあちゃんたちのお仏壇がある家は誰も住んでいない。というのも、詳しくは書けないけれど、先日その家に住んでいた母の兄である伯父が亡くなったのを機に、伯父の一家はバラバラになってしまい、元々ばあちゃんたちが住んでいたその家は家具などはそのままに空き家となってしまった。

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そうか、お仏壇に手を合わせる人もなく、お墓にもお水がなかったから、喉が乾いていたのかな。やっぱりあの夢はばあちゃん?でも、どうしてもあの夢の中の顔を思い出せなかった。そして、なんとなくあれは母だったような気もしていた。でも母は生きてるしな…。

続いて、父方のおじいちゃんおばあちゃんのお墓も掃除して、幾分かスッキリとした気持ちになれた。うん、よし、これでよかったのだ。

 

車に乗ったら母からLINEが届いていることに気づいた。もうすぐ息子(13)のお誕生日なので今から家に行ってもいいか?という。両親は、夏休みなどの平日に家に遊びに来ることはあっても、夫のいる休日にわざわざ来ることはない。しかも、当日に言うことなどこれまでなかったことだった。

今、お墓参りが終わったところ、と連絡して、そのままわたしの実家に向かった。母は電話で父が突然息子たちに会いたいと言い出したから、と話していた。わたしの夢はこのことを意味していたのか…?

 

実家に着き、みんなで息子のためのケーキを買いに行く途中で、母がなぜお墓参りに行ってくれたのかと訊ねてきた。不思議な夢を見たから、と言いかけて口を閉じた。わたしがここでそれを言ったら両親はきっと気にしてしまうだろう。ほとんどのお墓に言えることだろうけど、ばあちゃんたちのお墓もしょっちゅう行くにはなかなか不便なところにあるのだ。

「なんとなく」と言ったら「そうなんや、ありがとう」と母は言った。こういう会話や今日の出来事も、いつか両親が永い眠りについたあと、ふと思い出したりするのだろうか。先を歩く父を見ると、息子たちと楽しそうに話していた。

 

実家からの帰り道、夫が「やっぱりお墓参りに行ってよかったな」と言った。不思議な夢のおかげだったと思える出来事だった。

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実家でみんなで食べたケーキ