わたしのあたまのなか

わたしのあたまのなかの言葉を書きたい時に書く場所。日々のこと、美味しいものや旅日記、好きな海外ドラマについても書いてます。

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さみしくなる、朝

 

今回は関西在住の方、しかも一部の方にしかわからないはなしかも知れないけれど、わたしと家族が最近抱えているさみしい朝の気持ちを綴りたいと思う。

 

さて、みなさまは朝の時間に観るお気に入りのテレビ番組はあるだろうか?

 

我が家の朝のテレビといえば、十数年前までは、6チャンネル一択だった。わたしが住む地域の6チャンネルとは、テレビ朝日の関西局のABCテレビが映る。今ではちょっと苦手になってしまった宮根さんが当時6チャンネルの「おはよう朝日です」に出ていて、あのころはとても楽しかった。そのあと、宮根さんが去り、男性の浦川アナウンサーと女性の喜多アナウンサーのお二人の時代が一番楽しく観ていたように思う。

けれど、浦川さんが去り、岩本アナウンサーになって、ちょっと苦手だな、と思い始めた時、我が家は10チャンネルの「す・またん!」に出会った。ちなみにわたしの住む地域の10チャンネルとは日本テレビの関西局の読売テレビを指す。

「す・またん!」(以下、いつもの発音通り「すまたん」と表記させていただきたい)は、とにかくゆるいテレビだった。出演しているおじさんたちはいつも楽しそうだったし、悲しいニュースがあれば悲しそうにするし、腹が立つニュースがあれば怒っていた。感覚がテレビのこちら側と一緒だった。

実のところ辛坊アナウンサーがメインに出ていたころの「すまたん」を、わたしはちゃんと観ていないけれど、当時一緒に出ていた森アナウンサーがいつもゆるくてほがらかで、その割には目の奥が笑っていないしたたかな感じも、わたしはとても好きだった。

辛坊さんが去り、その後、森さんが還暦を迎えて、読売テレビを退職することになり「有給消化のために、一旦番組を休みます」と、発表された時には「森さん、ほんまに戻ってきてくれはるんかな」と、そわそわしたものだ。

その数年後、番組が一新されて、今の女性の虎谷アナウンサー、佐藤アナウンサー、男性の立田アナウンサーの3人体制になってから、本格的に番組の雰囲気が明るく丸くなり、朝は「すまたん」以外では考えられなくなってしまった。一時、我が家のテレビの電波の問題でNHKしか映らなくなった時など「朝は「すまたん」じゃないとびっくりするくらい調子が狂うな」と、家族で意見が一致した。

虎谷さんの普通の感覚と、佐藤さんのアイドルオタクぶりと、立田さんの優しさもよかったし、番組スタッフが痩せるために断食道場に通う様子が流れたり、超賢い明大さん(野村アナウンサー)や、中野先生(神戸学院大学教授)が軽くあしらわれたり、足立先生(和歌山大学副学長)が熱く和歌山愛を語ったり、森さんがご老体に鞭を打ってダンスに挑戦したり、と、異色としか言いようがない番組だったけれど、わたしにとっては憂鬱な朝でも明るく照らしてくれる救いの時間だった。

それなのに、この9月末で「すまたん」が、終了してしまうのだ。

 

7月の初めにそのニュースを知った時、我が家は深い悲しみに包まれた。

「うそやん、「すまたん」終わんの...?」

「じゃあ、朝何見たらいいん?」

しかも「すまたん」が終了したあとは、関西でも日本テレビの「ZIP」がフルで流れるという情報も知り、それがわたしたちにさらに悲しみと絶望の追い打ちをかけることになった。

現在も、関西の朝の時間は「すまたん」がフルで放送されているわけではなく、「すまたん」とZIPが行ったり来たりと各コーナーで区切ってうまいこと交互に放送されているのだけど、正直なところ、ZIPで紹介される東京の新しいスイーツ店は行く機会がないので流して見てしまう。

実際、この夏の旅行中、流れで東京に行くことになり、せっかく東京に行くのだから!と、毎日観ているZIPの情報を思い出そうとしたけれど、何一つ思い出せなかった。

だけど「すまたん」で紹介された関西の情報はわたしたちの血肉となった。実際、亀岡のイギリス村は気になって行ったし、奈良のそうめんカフェは「行きたいところリスト」に入っているし、友人のBさんと行ったパン屋さん「アマムダコタン京都」だって、元はといえばこの「すまたん」で紹介されて知ったものだ。

zfinchyan.net

ZIPももちろん嫌いではないけれど、関西に住んでいるのだから、関西の新しいお店、美味しいお店を知りたい。当たり障りのないコメントを聞くよりも、出ている人たちがゲラゲラ笑って楽しそうな声を聞いて朝を過ごしたい。何より「すまたん」でしか見たことのない中尾さんにもう会えないかもと思うととても、とても、さみしい。

 

 

15年も続いた「すまたん」が、あともう少しでついに終わってしまう。

ある朝、石破総理が辞任を決めたニュースを「すまたん」で、取り扱っているのを着替えながら見ていた夫がぼそっと言った。

「新しい総理が決まるころには「すまたん」終わってるんやな」

それは、わたしたちが予想していた以上にさみしい未来だった。思わず、夫と二人朝からしんみりとした。夏の気配がようやく薄まり始めたころ、「すまたん」は終わってしまう。

 

ちなみに番組名の「す・またん!」とは、フランス語で「ce matin」=「今朝」を表す言葉から来ているらしい。

いつかどこかでそのフランス語を耳にした時に、わたしは「すまたん」に漂う独特の緩さととびきりの明るさと、仲のいいおじさんたちがゲラゲラと笑っていた、幸せな朝の毎日のことを思い出すことだろう。


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ある日の朝ごはんのヨーグルト

お高いけどモチモチしていて美味しい

(さみしいけど、お腹は空くのだ)