我が家は夫の仕事の都合で、お盆休みがない。そんなわけで、世間がお盆休みで、クラブも塾もない息子たちは、ずっと朝からゲームして、けんかして、食べて、ゲームして、の繰り返しだった。
うーん、このままじゃいかん!!と、思ったわたしは、仕事で夫の帰りが遅いとわかった金曜日から1泊2日で、息子たちを連れて実家に泊まりに行くことにした。
そういえば、コロナや息子(13)の中学受験などがあったため、実家に泊まりに行くのは、もう何年ぶりか思い出せないほどだ。父の車で家まで迎えに行くと言ってくれたけれど、世間はお盆休みで道路が混んでいるのは明らかだったので、わたしの心のオアシスであるくずはモールで落ち合うことにした。
8月の末は父のお誕生日なので、早めに行って待ち合わせの時間までにくずはモールでプレゼントを息子たちと選ぶのだ。
11時に父と母と合流。そのままくずはモールでランチをするのかと思ったら、行きたいところがあるから、それの途中でランチをするということで、父の運転する車は奈良方面へ走る。

ランチを食べたとんかつ屋さんにて
わたしと母は、チーズ巻きとエビフライ御前、父はひれかつ、息子(13)は、とんかつのダブル(!)息子(10)は、かつ重。
みんなお腹が空いていたので、それぞれが美味しく食べていたところ、ハッと気づくと父はわたしが食べ終わるまでに、いつの間にかごはんをおかわりして3杯も平らげていた。70歳を過ぎているというのに、元気すぎない?
さて、再び、車を走らせる父。
なんでも、美味しいおかき屋さんがあるので、それを買いに行くらしい。
奈良に入り、生駒の中のちょっと入り組んだ道にある駐車場で、突然父が車を停めた。「着いたで」と、言うけれど、目の前には工場のようなものしかない。

車を降りてよく見ると「髙山製菓株式会社」と、書いてある。どうやら、ここで美味しいおかきを売っているらしい。

工場の入り口の左側にお客様入り口があった
あっ、そういえば、関西のローカル番組で奈良の美味しいおかき屋さんで紹介されてるのを見たことがある!ここのことだったのか!この日も、売り場には短い行列が出来ていて、次から次にお客さんが車でやってきては、お客様入り口に吸い込まれていく。
父曰く、お昼には売り切れていたこともあるそうで「今日は、お盆やのにまだおかきが売っていてラッキーやったわ」と、喜んでいた。なるほど、確かにみんな大きな紙袋をいくつも抱えて出てくる。しかも「何を買おうかな?」と、みんな迷って買うわけではなく「これを買おう」と、お目当てのものを目指して来るからなのか、行列が進むのも早い。
実家に到着後、早速買ってもらったサラダ味のころもちを食べることにした。
父と母は何度か買いに行っているそうで「いろんなおかきがあるけど、やっぱりこのころもちが一番美味しい」とのことだった。(直売所の他には、通販のみ)


大きな缶の中には大きなころもちが!
パキッとしたオレンジ色の大きな化粧缶の中に「ころもち」と呼ばれるおかきが、たっぷり850gも入っている。ころもちの大きさは、例えるならミディトマトくらいだろうか。一口でギリギリ食べられるくらいの大ぶりなおかき。
しょっぱすぎず、香ばしくて、固すぎず柔らかすぎず、ざくざくと噛みしめるとお米のいい香りがふわんとして、次から次に手が止まらない。お、美味しい...!
夜、ケーキをみんなで食べて、寝るのが早い父は、19時には一階の寝室へ。
(父へのプレゼントは羽織のシャツと、携帯を置くクマさんのスタンドにした)

この日、わたしと息子たちは、母がいつも寝る二階の寝室で寝させてもらうことにして、母は一階のリビングで眠るという。暑がりのわたしたちと、寒がりの母では、お互い気持ちよく眠れないからだ。
さて、電気を消すと、母の部屋の電気の豆電球が切れていて、真っ暗になってしまった。これに、息子たちが「怖い」と言うので、わたしは起きておくことにした。
ところで、わたしの実家の廊下や階段には、センサーがついていて、人が通ると電気が着く仕組みになっている。とは言え、最近はセンサーが鈍くなっていて、階段のかなり上まで来ないと、電気がつかない。そんな中、わたしが、布団の中で、息子たちが寝るのを待ってぼーっとしていると、パッと階段の電気がついた光が、扉の下のわずかな隙間から漏れて見えた。
「ん?母が登ってきたのかな?」
それにしては、階段を登る足音はしなかった。それに、扉の下の隙間の光も揺らぐことがなく、影などが人が動くようなものが全くない。ちなみに、二階にいたのは、この時、わたしと息子たちだけだった。
一定時間が経ったので、電気が消えた。誤作動だろうか?そんなことを考えていたら、またパッと電気がついた。
やはり先ほどと同じく足音が全くしない。かと言って、なんだか嫌な予感がして、扉を開ける勇気が出ない。母が、一階の廊下の階段の下で何かしているんだ。そうに違いない。と、思い込もうとした、その瞬間、体中に鳥肌がぶわっと立った。
扉の向こうに、誰かがいる気がする。それも、人間じゃない、誰か。
息子たちはもうすでに眠っていたので、一人起きていたわたしは怖くて、隣にいた息子(10)に巻きついているうちに、いつの間にか眠っていた。
翌朝、珍しく5時半に目が覚めてしまった。まだ眠る息子たちを二階に残して、一階に降りると、すでに父は布団を畳んで庭の花に水をやっていた。朝から掃除をしていた母に昨夜のことを尋ねた。
「え...、昨日はすぐに寝たで...?」
わたしと母の間で変な空気が流れた。
お、お盆やもんな?ばあちゃんたちが帰ってきてたんかな?そうやわ、そうやな。
幸いなのは、あの時、息子たちが階段の電気の光に気づかなかったことだ。
もし、知ってしまったら、息子たちは二度とじいじとばあばの家に泊まりたい、などとは言わなくなってしまうだろうから。

母と久しぶりに二人で食べた朝ごはん