夏休みに入ると、わたしのあたまを悩ませるものとして食事の問題がある。朝昼晩の三食をきちんと作らなければならないということの他に、夫がまず夏野菜のトマト、茄子を食べないからだ。
トマトなんて切れば終わり、もしくはミニトマトなら洗えば終わり。茄子は和洋中のどれでも大活躍。そんな手軽で美味しいこれらの夏野菜の「ぐじゅっ」という食感が夫はどうしても受け入れられないと言う。他にはズッキーニも大嫌いらしい。
結婚当初はそういう夫の好き嫌いを無視をしてトマトと茄子を食卓によく出した。わたしはお野菜の中で茄子が一番大好きだからだ。ところが、頑固な夫は決して食べない。一口も食べない。結局は自分が翌日のお昼などに食べることになり、食卓に残されたままのお料理を見るのも気分がいいものではないので、段々とそれらを献立から外すようになった。
また、息子(13)には、食物アレルギーがあり、元々は食べることができていたきゅうりに、数年前から食後に痒みを感じる反応が出るようになってしまった。息子(13)は小さいころから卵と乳にアレルギーがあり、それらは成長と共に反応が薄くなってきた。ところが、今度は逆に今まで大丈夫だったきゅうりやスイカなどのウリ科に反応が出るようになった。
ただ、息子の場合はアレルギーなので、こちらを献立から外すことは苦ではない。特に夏に大活躍のきゅうりは、息子自身が好きなお野菜でもあるのに、食べると喉がかゆくなるのでかわいそうになる。だからと言って、それらを全く食べないこともよくない、とかかりつけのお医者さんから言われているので、少しずつ摂取させて反応を見ているけれど、体調によっては反応にも強弱があるので、いつも食べる量と反応にドキドキしてしまう。
さらに、夏野菜以外だと、息子(13)は、えびもアレルギーが出て食べられないし、夫と息子は、大豆類のもやし、豆腐、豆乳にも、喉の痒みや腫れなどの反応が出る。
息子の卵アレルギーも、弱くはなったけど0ではないので、半熟なんて絶対無理だし、親子丼を作る場合も息子の分は卵でとじる前に取り分ける必要がある。
ちなみに、幸いにも息子(10)とわたしには食物アレルギーがほとんどない。息子(10)はクルミを食べると喉がかゆくなるし、わたしは牛乳をコップ一杯飲むとお腹が痛くなる程度なので、献立にはそんなに影響はない。
そんなわけで、食料品売り場を歩きながら、夫と息子(13)のそれぞれのアレルギー食材を省いた献立を色々と考えていると、やがて体よりあたまの方がヘトヘトになってしまう。
限られた食材で毎日ちがう料理など、まるでパズルのようだ、とも思う。すでにアレルギー食材で省かなければならないものが多いので、最近では、夫のはアレルギーではなくただの好き嫌いだ、と、割り切ってトマトだけは夕食にも出すようになった。だって、夏のトマトはつやつやでいかにも元気が出そうな赤だ。こんなにも毎日暑いんだから、夏野菜を食べて夏を乗り切りたい。
ただ、そんな風にあたまを絞って三食を作らなければならない夏休みにもいいことはある。
それは、お昼ごはんに息子たちと茄子をたくさん食べられることだ。幸い、息子たちはわたしと同じく茄子が大好き。茄子カレーや、麻婆茄子、茄子とピーマンの甘みそ炒めなどを息子たちと「美味しい!」と、言いながら食べる時間は、日々食事の用意で疲れる夏休みの中で、楽しいひとときなのだった。

残念ながら、ここ数年で、夫と息子(13)は、果物のほとんどにアレルギーが出るようになってしまった。アレルギーと言っても、痒みが出る程度でまだ軽い方だとは思うけれど、それでもやっぱりアレルギーが出るものより、出ないものを食べさせてあげたい。
けれど、この前、どうしても桃が食べたくなったので、紅茶のコンポートにして食べることにした。幸い、2人とも桃に熱を通すとアレルギーが出ない。(人によっては、熱を通しても強いアレルギーが出ることもある)
丸1日漬け込んだら、角煮くらいに色が濃くなってしまったけれど、ふわっと紅茶の香りがする甘くて冷たい桃は、家族で食後に食べた最高の夏のごちそうだった。