最近、家族でランニングをしている。
というのも、わたしと夫は年々体重が増加しており、特に夫は高血圧気味で健康に影響が出てきた。わたしも、前までは服のサイズはお店によってはMかLだったのが、最近では、どのお店であろうとL以外の選択の余地が無くなってきた。
さらに、息子(10)は、小学校から「成長曲線を少しはみ出している」という注意のお知らせまでいただいてしまった。なんでも、息子は身長よりも体重の増え方のほうがやや早いので要注意らしい。息子はこれまでもクラスの中で背が1、2番目に高くガタイもいいので、そういうものかと思っていたけれど、成長スピードの曲線をはみ出すと良くないとのことだった。
ちなみに、息子(13)は、家族の中で唯一平均的な体型を保っているけれど、もうちょっと体力と筋力をつけたい!ということだったので、家族4人で走ることにした。
走り出して1日目は、足を動かした瞬間、自分の体の重さにびっくりした。なんと、走りにくい体になってしまったのだ!走ると揺れる腹、尻、腰。もはや走っているのか、肉の揺れで弾んでいるのか分からない。自分の体が重く、思うように足が動かない。ああ、情けない!
けれど、ここで走ることを辞めたら、このままだとわたしの体はいつしか完全なる球体になるかも知れない。それはどうしても避けたい。
あのマンホールまで走ろう、よし、次はあの電柱まで走ろう、と、足を止めずに目標を先送りにして、走る。それでもやはり、途中で思わず足が止まる。腰に手を当てて「はあはあ」と荒く忙しい息を整えながら歩いたり、走ったりを続けた。
体の軽い息子(13)が先に走っては、わたしの様子を見るために戻ってきたりして、ずいぶん余裕のある走りが羨ましい。わたしと同じく体の重いはずの夫も、元陸上部の経験を活かしてなのか、意外と軽やかに走っていて、裏切られた気持ちになる。唯一、息子(10)だけ、わたしと同じように、歩いたり走ったり休みながら進むけど、たまに先頭から様子を見に戻ってくる兄にせっつかれて、わたしを置いて走り去っていく。
走っても走っても、進んでいないような気がする。腕を大きく振っても、太ももを上げるように意識しても、家族の背中が遠い。手と足をもがいてるような感覚で、それはまるで悪夢の中にいるようだ。でも、ここで足を完全に止めるのはもったいない。そんな一心で走り続けたら先で止まって待っていた夫が「意外と走れてるやん」と声をかけてきた。
どこが?と思ったけれど「散歩部で歩いてるからちゃう?」と言われ、散歩部活動をしているこの3年間は無駄じゃなかったのか、と思うと、すごく嬉しくなった。それとも、これも元陸上部のやる気を引き出す技なのだろうか。
途中にある自販機でみんなで一旦休憩をとることになった。足を止めると、サーッと大量の汗が流れた。じわっと出るのではなく本当にサーッとあたまから汗が顔に流れる。首からサーッと背中や胸に汗が伝う。普段動いた時のベトベトとした汗とは出方が全然違って、気持ちがいいもんだな、と思った。
自販機からゴトンと出てきたばかりのヒエヒエに冷たいスポーツドリンク1本を家族みんなで飲んだ。不思議なもので、体の中が少し冷えると、また少し走れる気になる。
ここまで走ってきたように、またあのマンホールまで、あの車まで、と、目標を次々に決めて、なんとか足を止めないように自分のことを騙し騙し走る。走ってしばらくすると、自分の体に気を配る余裕が出てきたのか、心臓がすごい勢いで脈打つのがわかってきた。よしよし、心拍数が上がってるぞ!脂肪が燃焼してる(はずだ)ぞ!
そんな風にして家の周りを大回りにぐるっと走った次の日。
太ももや、太ももの付け根に、じんわりとした痛みを感じた。なるほど、いつもの散歩部の活動でお散歩をした翌日は腰やふくらはぎにほんのりした痛みを感じることが多かったけれど、ランニングをすると太ももをしっかりと使っているのだとわかった。いいぞ、いいぞ!
というわけで、わたしたちは最近みんなの体調が良ければ、日の落ちて少しだけ涼しくなった夜や夕方に走るようにしている。走ることはとてもしんどいけれど、終わったあとは心も体もスッキリするので、なるべくこれからも続けたいと思っているのだった。
(ただし、夕食前にランニングをするので、走って帰ってきて、お風呂に行って、夕食を食べて、そして洗い物をして…と、なんだかわたしだけ家に帰ってからも慌ただしい気はちょっとしている)

走っている時間の空が美しい