わたしのあたまのなか

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親孝行の日

 

以前、友人のBさんと写経に行った時に訪れた建仁寺。

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その時、ふと「ここは母も好きだろうな」と、思ったので、後日誘いを入れてみた。母も「行きたい!」と乗り気だったのですぐに日程が決まったものの、その後またすぐに母から連絡が入った。「…お父さんも行きたいって」

父も??わたしはびっくりした。なぜなら、父はどこかに出掛けるなら車で、と決まっている人で、こんな京都の真ん中まで電車に乗ってわざわざ行こうとする人ではないからだ。しかも、息子たちがいるならまだしも、父と母とわたしの三人で出掛けるなんて、思い出してみるとおよそ13年ぶりではないだろうか。

けれど、行きたいというなら断る理由もない。じゃあ、三人で行くか、と決まった日のまた後日、再び母からの電話が入った。「なんかお父さん、京都府立植物園に行くねんって」「ああ、そうなんや、ええやん」「ちがうねん、建仁寺じゃなくて、今回は京都府立植物園に行こうって」

思わず「なんでやねん」という言葉が口から漏れた。建仁寺に行くって言ってるやん。そう告げると、母は困った様子で、うん、そうやねんけど、お父さんがそこ行きたいって言ってるからさあ…と、続ける。行きたいんやったら勝手に行ってきたらええやん、という言葉が出そうになったけど、わたしと同じく困惑している母にぶつけても仕方がないので、それはグッと飲み込み口の中で止めた。

やれやれ、父はこういうところがあるのだ。わたしたちに意見を聞くことなく、自分の行きたいところに勝手に舵取りをする。そして、それに対してわたしや母が何か言うと、拗ねて「もう行かへん」とかどうせ言い出すにちがいない。

まあ、父は植物が好きなので、確かに建仁寺より植物園の方が楽しめるのだろう。と、いうわけで建仁寺は涼しくなった秋に母と二人で行く約束をして、今回は三人で、夏の平日に京都府立植物園へ行くことにした。

 

父と母とは丹波橋で待ち合わせをして、そこから近鉄、さらには地下鉄に乗り換える。丹波橋で二人に会ってびっくりした。なんと、父はスポーツタオルだけを肩にかけ、手ぶらでやってきたのだ。しかも、母も300mlの小さな水筒だけをショルダーバッグに入れて他はハンカチと帽子と財布と携帯しか持っていない。

わたしは、というと、氷水がたっぷり入った水筒、凍らせたパウチドリンク、ハンディ扇風機と日傘と扇子を2つずつ、帽子、大きなタオルと、濡らして使うタオル、塩分チャージ、疲れた時用の甘い飴、冷えピタ、そして足が悪い父のために折り畳みの杖。それらを大きなリュックに詰め込んで背負っていた。

「なんでそんな荷物多いのー?」と、母に若干からかわれたので(京都の夏をなめてんじゃねえぞ)と、思いながら無視をした。府立植物園は緑が多く気持ちがいいけど、日陰が異様に少ない。向こうでわたしの暑さ対策グッズのありがたみを思い知るがいい。

ちなみに父は地下鉄の中で、こんなに遠いと知ってたら来なかった、などとボヤいていたので、こちらも同じく無視をしておいた。両親の言うことをまともに聞いていたら、こっちがもたないのだ。

・10時、京都府立植物園に到着

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暑いから誰もいないのか

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ここは四季のいつでも気持ちがいい

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父と母

せっかく御所望の植物園まで来たというのに、父は写真を撮るでもなく、足を止めてゆっくり進むわけでもなく、ずんずんと進む。よく聞くと、観覧温室が一番のお目当てらしい。

途中母が暑い暑いというので、扇風機を差し出したけれどいらない、と言う。せっかく持ってきたのに!じゃあ、日傘を差しなよ、と渡したら、それは大人しく使っていた。父にも冷たいパウチドリンクを薦めたけれど、いらないと言う。なんだ、この二人は。どうしてこんなに暑さに強いのか。

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「夏やからペチュニアしか咲いてない」と

父がまたボヤいていた

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温室は息子たちのお気に入りでもある

温室に足を踏み入れると、もわあぁっとした熱さに全身が包まれる。ここまで来るのにすでに外の暑さで体は熱されているのに、温室でさらに蒸されるつらさ。でも、もちろんサウナのような熱さではないし、息を吸うと、温室特有の匂いと、そこに咲く花や草の温かい匂いが鼻から入って、慣れるとここも悪くないと思えるようになった。


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変わった植物たち

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日本でここだけ!のミズヤシ

ちなみにこの府立植物園の温室は、夜にしか咲く植物を展示した暗い部屋や、涼しいところにしか咲かない高山植物を展示しためちゃくちゃ涼しい部屋、あとは乾燥した土地に生きる植物を展示した部屋など、花も木もいろいろ、温度もいろいろで見ごたえたっぷり!

父は、というと、さきほどまでのスタスタとした歩みとは変わって、じっくりランを観てみたり、熱帯の木をいろんな角度から眺めてみたり、あれこれ雑学を教えてくれながら楽しんでいた。

温室を出たあとは、一旦休憩。

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まゆまろ(ゆるキャラ)の目が…!!

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わたしはティーソーダでさっぱり

休憩のあとは、また植物園を散策…と、思ったら父が「もう、ええわ」と出口に向かって歩き出した。あの、なんか池とかまだ園内にはみどころがあるんですけどね...と、思ったけれど、いくら二人が暑さに強いとはいえ、無理を言ってあまり歩かせたくはなかったので、わたしも大人しく出口に目指すことにした。

そこから、ちょっと京都駅に寄り道をして、お昼ごはん

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ハマムラのゆず醤油和風冷麺

冷麺って体がスッと冷えて、やっぱり美味しい。

さらに伊勢丹に寄り、わたしがいつも楽しみに読ませていただいているブロガーさんがおすすめされていた仙太郎の水無月を買おう!と思ったら、なんと大行列が出来ていた。少し並んでみたものの、列がなかなか動かず、父と母を待たせるのも悪いのでこの日は泣く泣く断念。その代わりにこの日はそこまで行列が出来ていなかった阿闍梨餅を、自宅と、両親用に購入した。

さて、お開きにしようかと言っていたら、父がどうしてもわたしたち家族にうなぎを買うという。この日の夕食は冷しゃぶうどんにしようと決めていたので断ったのだけど、どうしても息子たちと夫に買ってあげたいと言う。父なりの気遣いなのだろう、とお言葉に甘えてうなぎを買ってもらって、両親とは京都駅で解散した。

帰りの電車で一人席に座ると、どっと疲れが出た。もちろん疲れだけではなく、父と母が暑さで倒れたり、転んでしまったりすることなく、無事に植物園を楽しめたということでホッとして気が抜けたのもある。

持参した暑さ対策グッズや、杖はほとんど使わなかったけれど、これでいいのだ。

そう思えた親孝行の日だった。