わたしのあたまのなか

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団地のふたり

 

録画して楽しみにしていたドラマ「団地のふたり」をついに、ついに観終わってしまった。

「団地のふたり」は、共に夕日野団地で生まれ育ち今も実家暮らしの幼なじみ・ノエチと奈津子と、その団地の住人たちを描いた、藤野千夜さん原作の物語。

続きを観たい、でも終わりたくない、ああ、終わっちゃう...。そんな風に、楽しさと淋しさで走り抜けた10話だった。

 

自分が団地で生まれ育ったというのもあって、あのころの思い出がたくさん蘇り、関東にあるはずの夕日野団地の風景がなんだか懐かしく感じられたし、緑溢れる団地の中の風景がとても恋しくなった。

そうそう、団地の中を清掃してくれるおじちゃん、いたよね、とか、公園や広場があちこちにあったよね、とか。団地って古いところも狭いところも、あと駅から遠いところも多いけれど、あのピリッと角が立った四角の建物が整然と並ぶ風景は、圧倒的であり輪の中で守られてる感じがして、こうして見るととてもいい。

 

さて、この物語には、個性的な住人が数多く出てくるが、わたしが住んでいた団地にも、それはそれは変わった人たちがたくさんいたことを思い出した。

自治会の会長を長年していた淡路のり子さんそっくりのおばちゃんとか。最上階に住んでいるのに「物音がうるさい」と隣や下の階にまで文句を言いにくる有名なおっちゃんとか。お米屋さんで働いていた若いおにいちゃんと不倫をしていたおばちゃん(!)とか。団地内を冬でもタンクトップを来ていつもランニングしていた市役所勤めの(なぜか住人の勤め先をほぼ知っていた)おっちゃんとか。

そういえば、団地内の飲み会の場でうちの父が酔っ払って、隣に座ったご近所の奥さんとテーブルの下でこっそり手を繋ぐという醜態を晒したこともあった。

(当時小学生だったわたしは、その後の母とおばちゃんとの修羅場も見るはめになった)

 

それから、わたしのことをとても可愛がってくれたおばあちゃんとの大切な思い出も。

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優しくて朗らかな人もたくさんいたぶん、名前も知らないけれど「あ、あの人」と、子どもながらに親から漏れ聞く話で有名なクセのある人はたくさんいたし、気をつけなくてはいけないちょっとこわい人や、意地の悪い人もたくさんいた。でも、結局は同じ団地の人だから、なんとなく気になったし、動向は耳に入るので、いつも何かしらいろんなことが起きて、今思えば面白かったなあと思う。団地の中には、スーパーも小学校も幼稚園もいくつかの病院もあって、広大な敷地だったのに、噂話だけは風のような速さであっという間に駆け巡って消えて行った。

時代もあるけれど、団地の中に活気はあったし、子どもの数も今より多かった。携帯もなかったので、常に人と人が顔を合わせてあちこちで話していて、あのころのそんな懐かしい風景が、この「団地のふたり」の中にはたくさん描かれており、面倒なご近所付き合いも、自治会活動も、人と人を繋ぐ大切なものだよな、と、改めて思ったりもした。

 

さて、わたしは小学生のころ「やっぱり猫が好き」を観ていたせいもあり、今でも小林聡美さんが大好きだ。やっぱり猫が好きは本当に名作だったし、どこまでがセリフでどこからがアドリブかもわからないところも面白かったのだけれど、この「団地の二人」にもちょこちょことそんな雰囲気が散らばっていて、わたしはそこもすごく好きだった。

小林聡美さんはものすごく自然になっちゃんだったし、小泉今日子さんは当たり前にノエチだった。ドラマが終わってしまった今も、あの団地のなっちゃんの部屋で、こんな寒い季節はこたつに入ってお野菜たっぷりのお鍋をつついているのではないだろうか、と、思えるくらい日常の延長に出てきそうな身近に感じることのできる作品だった。

(とは言いつつ、小林聡美さんの白くて美しい肌は超人的だったけど)

ああ、すごくおもしろかったなあ、団地のふたり。

楽しいと懐かしいがいっぱい詰まった素敵なドラマだった。