わたしのあたまのなか

わたしのあたまのなかの言葉を書きたい時に書く場所。覚えておきたい出来事やお出かけの記録、おいしいものについてもよく書きます。

はじめてのお祭り

夏休み前の話になるが、ある日息子(9)が学校から帰宅して「おまつりってなに?なにするところ?」と尋ねてきた。

え…?と、思った。この子お祭り知らんの?

正確には知らないではなく覚えていない、である。なぜなら、コロナが流行する前は行ったことがあるし、毎年お正月は枚方は香里園にある成田山へ初詣に行って縁日に寄っていた。

「きょう、おまつりあるねんって」と、息子は言った。聞くと、自宅から電車で数駅の場所でお祭りがあるらしいと小学校のお友達から教えられたそうだ。そういえば、夏休み中ではなく夏休み前にあるそのお祭りのことは、息子(12)が幼稚園のころに耳にしたことはあるが、まだ1度も行ったことはなかった。

わたしの頭に「この子にお祭りを知らないまま過ごさせてはいけない」という考えがよぎった。

今行っておけば、さすがにこの先は覚えているだろう。時刻は15時。今からお祭りか…。いや、待て、夕食の準備はできている。お風呂も沸いている。まだ中学校にいる息子(12)は鍵も持っているしなんとかなるだろう。…よし、行ける!

わたしの「じゃあ、今からお祭り行こう!」という誘いに息子はそうなるとは予想していなかったのだろう。「え、いいよ。電車乗らなあかんし」と遠慮してきたが、わたしが「大丈夫。行けるから!」と、説得したら嬉しそうについてきた。

駅について電車から降りると、縁日に向かって人が流れていたのでついていくことにした。噂には聞いていたがすごい人だ。

「絶対、手離したらあかんで。一生会われへんで!」と若干脅しながら人の波を進む。わたしたちヌーの大群みたいやな、と思いながら縁日の間の道を進んだ。

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息子が最初に食べたトルネードポテト

お祭りはわたしにとっても数年ぶりだったので、人の多さと屋台のお値段の高さにびびりながらも「今日だけは特別」と自分に言い聞かせて、息子が欲しがれば全て買おうと心に決めた。が、元々遠慮しがちの息子は「いいわ」「大丈夫」と言って、何を勧めてもトルネードポテトの他は食べない。

だいぶ人もばらけてきて歩きやすくなったため縁日の間をゆっくり歩いたが、よく見ると、屋台はたくさん並んでいるが、トルネードポテト、フランクフルト、いちごあめ、チョコバナナ、韓国風のカラフルなわたがし…と、売っているのは同じものばかりだった。意外だったのは焼きそばやたこ焼きの屋台がなかったことだ。片手では食べられないそれらは不人気なのだろうか。それとも材料費が高くなったから?ベビーカステラのお店もあるにはあるが、割合が少ない。やっぱり材料費のせい?

ふと、息子が「パインあめ、食べてみたい」と言った。よーし、買おうじゃないの。でもいちごあめでもリンゴあめでもなく、パインあめ??

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パインあめ

わたしも初めて目にしたパインあめは、輪切りのドライフルーツのパイナップルに飴がかかっているものだった。ちなみに700円。えっ、ドライフルーツ1枚に700円?!嘘やろ?と、言いかけたがグッと飲み込んだ。今日だけは特別だと自分で決めたのだから。

パインあめはパリッとした飴に、ねちょっとしたドライフルーツの食感が最悪だった。息子も「なんか、思ってたんとちがう…」と、持て余していた。これも思い出だ。

次はスーパーボールすくい!

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この中から5個もらえます

ルールをよくわかっていなかった息子は「せっかくあんなにすくったのに5個しかもらえへんかった!」と憤慨していた。すくった分は全部もらえると思っていたらしい。まあ、わかる。わたしも子どもの時そう思ってたし。

ふと時計を見ると、1時間ほど経っていた。最初より空いてきたと思ったが、夕方になり子ども連れが減って大人が増えてきた気がする。まだここから電車に乗らなければならないので、そろそろ帰ることにした。

息子に「お祭りどうやった?」と聞くと「めっちゃ楽しかった!」と言った。その言葉が聞けただけで疲れが吹き飛んだ。人にぶつからないように、周りの人の串が息子に当たらないか、などととにかくドキドキしながら歩いた。そういえば、こんな人混みに2人だけで行ったのは初めてだったかも知れない。

これで、息子にとってのお祭りは、わたしと2人で行った思い出として残るだろう。思い切って行って本当によかった。息子(12)には10円ぱんを、夫にはベビーカステラをお土産に買って帰った。

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最後に買った、息子たちの憧れだった10円ぱん