わたしのあたまのなか

わたしのあたまのなかの言葉を書きたい時に書く場所。覚えておきたい出来事やお出かけの記録、おいしいものについてもよく書きます。

わたしが生まれてきた理由

息子(9)は、わたしのことが大好き、らしい。

しょっちゅう「だいすき」と言ってくれるし、いつも抱きしめてくれる。その愛は重すぎる時もあり「もう!わかったから!暑いから離れて!」とつい言ってしまうこともあるが、一日中家にいると、何回ハグをするかわからないくらいだ。

 

そんな息子が最近言ったこと。

「おかあさんは、ぼくを甘やかすために生まれてきたんやで」

一瞬、わけがわからなくなった。

あれ?順番、逆じゃない?

「おかあさんに、甘やかされるために、君が生まれてきたんじゃなくて?」と、聞くと、ちがうと言う。

「おかあさんは、ぼくを甘やかすためだけに生まれてきた!」

 

まるで、それが本当のことと言わんばかりに、自信満々で力強く言い切る息子(9)を見ていたら、自分が昔辛かった時も諦めずに乗り越えて生きてきてよかった、と思えた。つらかった日も、落ち込んだ日も、全ては目の前にいるこの子を甘やかすための道のりだったんだ、と思うと、不思議な達成感に満たされた。

子どもは親を選んで生まれてくる、と聞いたことがあるが(それが本当かどうかは知らないが)どうやら、わたしは息子を選んで生まれてきた、らしい。卵が先かニワトリが先か、みたいな話になってきたが。

それはともかく、幼いころのわたしや、あのころ生きるのが辛くて部屋の隅で天井を見上げていたわたしに伝えてあげたい。

知らないうちにわたしの生まれてきた理由となっていたこの子を、無事に毎日甘やかしております!甘やかしすぎて息子(12)からは「弟だけかわいがっている」と、疑われています!そんなことないのに!とにかく、わたしが生まれてきた目標を、わたしは達成できているようですよ!あのころのわたし!

 

独特の表現や重たい愛でいつもわたしたち家族に笑顔をもたらせてくれるかわいい息子だが、いつかわたしのことを疎ましく感じたり、お互いにうまくいかずにすれ違ったり、わたしのことをうるさく感じることもあるだろう。

でも、こんなにもお互いに大切にしていることを直接伝え合っていた日々はきっと記憶に残るし、ここに書いておけば、わたしはいつでもこの時の息子の言葉を思い出して温かい気持ちになれるはずだ。

手を離さなければならない時期が来るまで、かわいい息子たちの姿をたくさん目に焼きつけておきたいと思う。