この前小学校を卒業した息子、今度は中学校に入学した。
こう書くと、あっという間だったようだが、実際の春休みは雨の日が多かったせいもあって、とても長く感じた。
それに加えて、自分の部屋ができた息子は、春休み中何度もお友達を招いて遊んでいたので、わたしは家の片付けや掃除をしなければならず、ずっと家事に追われていた気がする。
いつもより慌しかった日もあるけれど、息子たちと過ごす春休みは、親も子どもも思い出がたくさんできて楽しく穏やかに過ぎていった。
春休み中に中学校の制服に袖を通した。
新しいベルトはその意味を成さないほど、ブッカブカだったので、家にあった千枚通しでぐりぐりと穴を開けた。
そういえば自分も子どもの頃、母から「ベルトが大きかったら千枚通しで穴を開けたらいい」と教わったなあ、と思い出した。
そして、ついに迎えた中学校の入学式。
朝起きた時には、いつも通りのんびりとしていた息子だったが、家を出る時間が近づくにつれて、だんだんと緊張した面持ちになったのが、初々しくとてもかわいかった。
このきゅっと締まった凛々しい顔は今日の入学式限定の顔だな、と思いながら眺めた。
ここで、涙がでる?
さて、入学式で、生徒会長の男の子が歓迎の言葉を読んでくれた。
今日君たちが入学してくれることを、先生たちも自分たちもとても楽しみにしていたこと。
この学校に入って良かったと何度も思っている、だから君たちも楽しんでほしいこと。
最初は知っている人が1人もいなかったけれど、今では大切な友人ができたこと。
それを聞いていたら
「ああ、この子も、この子の親御さんも最初は心細くて大変だったんだ。それなのに、この子は立派に生徒会長になって…。がんばったねえ」
と、なぜか他人のわたしが前に立つ彼の姿に感極まり涙がぶわっと出てしまった。
卒業式では出なかった涙、
入学式に臨む息子を見ても出なかった涙、
まさか初対面の生徒会長で溢れるとは…!
夫からも息子からも「なんでそこで泣いたん?!」と驚かれたが、彼の言葉が心にじーんと染みたのだから仕方がない。
それに、勝手ながら彼の姿に息子を重ねてしまったのもある。
息子にも、いつか「この学校でよかった」と思えるように、楽しんでほしい。
「最初は不安だったけど、いいお友達ができてよかったね」と息子に声をかけてあげられるようになっていたら嬉しい。
そんな、息子に対する「がんばれ!楽しんで!」という思いが溢れて涙になったのかもしれない。
(ということにしておきたい。そうでなければ、なぜここで泣くの?というところで泣いてたし…)
毎朝の仕事
今のところ息子は毎朝第一ボタンを閉めるのにとても苦戦している。まだ真新しいシャツはボタンが固いことと、見えにくいそれは自分ではうまく閉められないらしい。
というわけで、わたしの毎朝の仕事である「息子を起こすこと」に「息子の第一ボタンを留めること」が期間限定で加わった。
期間限定と書いたのは、きっとすぐに息子は第一ボタンなど簡単に留めてしまうようになるからだ。
今だけのわたしの仕事を毎朝ああだこうだと言いつつ努めて行きたいと思う。
追記
登校してから約1週間が過ぎた今、息子は第一ボタンを難なく留められるようになり、早速わたしの朝の仕事がひとつ減ってしまった。こうして、わたしの手からどんどん離れていくんだろうね。