わたしのあたまのなか

わたしのあたまのなかの言葉を書きたい時に書く場所。覚えておきたい出来事やお出かけの記録、おいしいものについてもよく書きます。

サムバディ・サムウェア(SOMEBODY SOMEWHERE)

久しぶりに、一気に観たU-NEXT配信の海外ドラマ。

一話約30分なので、軽く観ることができて、とてもいい気分転換にもなった。あと、ストーリーの中に流れる音楽と風景がとてもいい。

シーズン3があるらしいので待ち遠しい!

 

あらすじ

大好きだった姉を看取ったあと、癒えない悲しみを心に抱えたまま、夢も希望もなく、故郷の小さな田舎町でまるで死ぬように生きる独身の中年女性、サム。

何かをやるには遅すぎて、全てを諦めて生きるには残りが長すぎる、それが中年。

妹にこき使われ、独身を嗜められては腹を立てるが、ただただ、与えられた仕事を淡々とこなすだけで、自分の殼から出るつもりもない。

そんな中、職場でサムに声をかけてきたのは同じ学校のクラスメイトだったジョエル。

彼の誘いで教会の合唱に渋々ながら参加したサム。久しぶりに人前で歌い自分を解放することで、再びサムの人生に笑いと喜びと彩りが蘇っていくのだった。

 

感想

灰色の人生から一転、カラフルに!

なんて甘いストーリーではなく、家族を失った悲しみは、サムを何度も深い淵に引き戻すのだけれど、ジョエルやその友人や、憎しみ合っていたはずの妹でさえ、サムが再び自分の人生を歩むように手を差し伸べていく。

際どく危険なジョークも、下品な表現も山ほどあるけど、彼らが素直に傷つき悪態をつくことで「家族の再生」や「感動の物語」の嘘っぽさが消えて、それぞれが様々な問題を抱える中年たちのリアルな人生模様が際立つ。

もう何者にもなれなくても、自分を生きることはできる。誰かと同じではなく、自分にしかできない人生を歩むことはできる。

嫌なことは山ほどあるけど、その半分くらいはいいこともある。そして、そのいいことは人と分かち合って次の幸せにきっと繋がっていく。

その、悲しみと優しさのバランスが甘辛くてちょうどいいドラマだった。

 

 

ジョエルみたいな友人が欲しい。

というか、ジョエルみたいな人になりたい。