ある夏の土曜日、夫が「今日の夜は美味しいカツ丼を食べたい」と言う。最近ちょうど近所にかつやができたので、家族4人で食べに行った。
家で作るカツ丼も美味しいが、やっぱりプロには敵わない。かつやで食べるそれはあまりにも美味しかった。4人とも感動してしまい、なんと次の日の日曜日の夜もかつやに行ってしまったほどだ。
ちなみに今日も行ったが、美味しかった。
さて、かつやといえば、私の中ではロースカツ定食かカツ丼…とにかく豚肉のイメージだったので、今まではそれらを食べていたが、二夜連続かつやの二日目、初めてねぎ味噌チキンカツ定食を食べてみたらサクサクでジューシーでびっくりした。
かつや、君は鶏肉も得意だったのか!!
そこから私はかつやに行くと選ぶのは、ねぎ味噌チキンカツ定食か、タルタルチキンカツ定食。その二択となった。(今日はねぎ味噌チキンカツ定食にした)
夫は毎回カツ丼(松)+とん汁(大)。(カツ丼(松)はロース80gが2枚入っていて、すごいボリュームだ)
息子(11)はロースカツ定食。時々とん汁を(大)にしたり。
息子(8)はカツ丼(梅)。(カツ丼(梅)はロース80g。息子はお腹がはち切れそう!と言いながら毎回完食する)
そう、つまり家族全員が自分の中でコレ!と気に入ってしまえば、ほぼ冒険をすることなく毎回同じメニューばかり食べてしまう。
私の愛するこってり濃厚味噌ダレのねぎ味噌チキンカツ定食と、たっぷりタルタルソースのタルタルチキンカツ定食。チキンカツはタレがかかっているのに両方ともサックサク!ごはんにもよく合う。とん汁もとても美味しい。
そのかつやの帰り道、車の中で家族でよく行くお店について話した。
家族全員が好きでよく行くお店は、
かつや、くら寿司、餃子の王将、焼肉きんぐ、マクドナルド、コメダ…
そう、全てチェーン店。
全国、どこでいつ食べても、同じ味。
私たちは家族全員揃ってやや人見知りなので、お店の人から話しかけられやすそうな個人経営のお店や、会話が筒抜けになってしまうようなこじんまりしたお店などが苦手である。わかりやすく例えるなら、旅館よりホテル、銭湯より温泉を好む。一対一ではなく、大勢対大勢でいられる場所。
よって、いつも行くのはチェーン店ばかり。
いい雰囲気の隠れ家的なイタリアンや、小料理屋さんなど、そこでしか食べられない特別な味を見つけたり、お店のご主人やおかみさんたちと仲良くなってみたり、果ては家族ぐるみのお付き合いをしたり…そんな関係や顔見知りがいて安心できる場所を持つことに憧れる時もあるが、なんせ人見知りなので周りとの会話を楽しむ前に、相手を不快にさせぬよう必死に気を使って話してしまうだろうから、食事に行くたびに疲れ果てるのは目に見えている。
例えチェーン店でも、私たち家族の思い出はそこにたくさん詰まっているからいいか、と思った。
もうすぐ家に着くというころ、運転しながら夫が言った。
「こうしてかつやでみんなで美味しいなって食べたこと、ずっと覚えておきたいな」
私もそう思った。
カツ丼を夢中で食べる顔。
一口目のロースカツを食べる時の笑顔。
カツ丼と豚汁に山ほど七味をかける姿。
安くて美味しいチェーン店での家族の思い出がこれからも増えますように。