5:50
息子の熱をはかりに来た看護師さんの気配で起きる
息子は午前中に手術をするため、朝6時以降は水分がとれないので、早めに来てくれたらしい。
息子は朝の水分をごくごく飲んだが、私はこの時に飲み損ねてしまい、その後もう飲めない息子の手前、飲むわけにもいかず、息子が手術室に入る9時まで何も飲めなかった。
早く起こされたものの、その後は何もすることがない。
なにぶん手術を控えているため、飲めないし、食べられない。おまけに利き手も固定されてるから、ゲームもできない
空いてる手でじゃんけんして「あっちむいてホイしようよ!」と言ってみるが、手術前の緊張もあってか「やめよう」と言われる。がーん
結局、息子を膝に乗せて、私がドラえもんの漫画を持ち、息子がページを読み終えたら「うん」と言うのでめくって読ませることにした。
そんなことをしていたら、執刀医のお医者さん、耳鼻科のお医者さんが様子を見に来てくれた。顔を見にくるだけだけど、ホッとする。
9:00
最後のトイレの後、歩いて手術室へ
麻酔が効くまでは付き添っていいことになったので、手を繋いで一緒に行く。
2年前に同じ病院で子どもの手術をしたことのある友人から、手術室に入った瞬間すごく不安になるけど、子どもの方が不安なんだから、絶対に手術室では泣くな!と言われていたので、
わー!手術室だー!ドラマみたーい!とか、
あの機械めちゃくちゃかっこいいね!
とか小声で中身のないことを言って、涙を必死にこらえていた。
スッと私のすぐ隣に耳鼻科のお医者さんが立ったかと思うと、
「お子さんの扁桃腺の手術は、この夏休みに入って6件目です。みなさん元気に帰っておられるし、大丈夫ですよ」と言ってくれた。
うん、大丈夫だ!
奥に足をすすめると、息子が入る手術室のドアに、ドラえもんのイラストがペタペタ貼られており、YouTubeでドラえもんの歌を流してくれていて、先生方全員で、少しでも息子の緊張をほぐそうとしてくれているのがわかった。
手術台に横たわり、こわい、とポロポロと涙を流す息子の頭を撫でていると、
「大丈夫だよー、眠くなるだけだよー」と声をかけてもらいつつ、息子の体に麻酔が入っていく。
息子はふぅーと息を吸ったかと思うとゆっくりと目を閉じ、眠りに落ちた。本当に一瞬のことだった。
後ろ髪を引かれる思いで、手術室を出て、下のコンビニに寄り、術後に食べられるようになった時のためにゼリーやプリンを買った。
いろんなものに目移りしたのと、気もそぞろだったので、明日からの自分の朝食用のバナナを買い忘れた。
でも朝に飲むミルクティー用に牛乳は無事ゲット。私は毎朝ミルクティーを飲むので、病院でもそれだけは普段通りにしたかったのだ。
⚪︎息子の大好きなドラえもんが、コンビニに売っていたので購入。
9:50
部屋に戻り、遅めの朝ごはん
コンビニで買った厚焼き卵のサンドイッチ、野菜ジュース、ホットミルクティー
を食べるつもりが、最初に飲んだ水一杯でやや満腹に。
でもここで食べておかないと、手術が終わったあと息子は絶食なので、いつ食べられるかわからない。
むりやりサンドイッチを食べたが、結局、野菜ジュースは飲めず、次の機会に冷蔵庫へ。
10:30
そわそわして落ち着かない
部屋を片付けたり棚を整理したり。
持ってきていた辻仁成の本
「パリの空の下で 息子とぼくの3000日」を読むなど。
11:22
病室に看護師さんがやってきて、
手術が終わったのでお迎えにいきましょうと声をかけられる。
看護師さんは部屋のベッドとは違うベッドを押して行った。
担当のお医者さんから手術は何の問題もなく終わったと聞かされ、取った扁桃とアデノイドがそれぞれ入った容器を見せられる。
アデノイドは鶏の心臓(開く前の)くらいの大きさ!
え?!これが鼻の奥に今まであったの?!って感じ
扁桃はヒラヒラしていたので大きさがすぐわからなかったけど、(あんまりじっくり見せてくれなかった)とにかく大きい!と思った
手術室から出てきた息子は、ストレッチャーの上で大胆に立膝で横向きに寝ていた。
医療ドラマでよく見るシーンで、
1、2、3!!と声をかけて患者の体を持ち上げて、ベッドからベッドに移動させるシーンがあるので、てっきり息子もそうやって看護師さんが持ってきたベッドに移動すると思ったが、
意外にも「息子くーん!」と看護師さんたちが声をかけて呼び起こし、自分で移動させるスタイル!
あ、そうなの?
息子は持ち前の寝起きの悪さから
「は?」と言わんばかりのイライラした顔をしながら、乱暴にストレッチャーからベッドに移動。
あまりにも乱暴なので、落ちる!点滴の管が!と心配になった
(実際看護師さんたちもあんまり暴れると落ちるよ!と言っていた)
そして病室に戻り、今度はベッドから病室のベッドへ移動。もちろん自力で。
もうこの病室のベッドを手術室に持っていけばよかったんじゃねーの?と思ったけど、なんかしらの規則なんだろうな
効率的に考えたら病室のベッドを持って行く方がいいもん
さて、息子は度々起こされることへのストレス
そして麻酔や手術の影響による喉の痛みで激怒
怒って泣いて睨んで、叫び、
また喉を痛めて泣いて、寝る
を、何度も繰り返した
(よく叫べるよな、とも思った。痛いだろうに…)
その後も30分ごとに体温と血圧を計られるせいで起きてしまい、また痛みを思い出して泣いて怒っていたが、12:30の計測では起きずにスヤスヤと寝続けた。
でも30分ごとに計ってもらえるおかげですごく安心もした。
血圧や体温は目で見てわかるものじゃないから、こまめに計ってもらえてよかったな、と思う。
14:00
ここからは時間を空けて約1時間ごとの計測になるが、執刀医のお医者さんや耳鼻科のお医者さんなどが診察に出入りするので落ち着かない。
息子は目を覚ましたり、すぐまた寝たり。
私は昨日の寝不足がたたりうとうとするものの、息子が気になり眠れない。
でも意外と時間の流れは早い。
15:30
持って来ていた本、
「パリの空の下で
息子とぼくの3000日」読了。
息子、ようやく目を開けがちになってきた。
が、涙がつーっと目から溢れこぼれているので心が痛む。
つらいね、痛いね。
涙を拭いて、頭を撫でて過ごす。
16:00
痛み止めの点滴を使えるようになった。
16:15
起き上がってお水とプリンを3口ずつ
そのあと私が買ってきたドラえもんを読んだ。
痛み止めが効いてるうちに
寝た方がいいんじゃない?ということで、目をつぶったり開けたり。
⚪︎持ってきていた保冷剤付きのアイマスクが早速役にたった。
17:15
息子が寝てる間に自分の食事を済ませてしまおうとしたら、
9:00以来の尿意でお目覚め。
よかった!
何度も「おしっこ出る?」って聞いたけど「出ない」と言われて心配していたのだ。
量を知りたいので、尿瓶におしっこを出してナースコールで呼んでください
と、言われていたのでナースコールを押して知らせるも、20分以上来ず。
すでにレンジで温めていた白ごはんと、お湯を入れてしまった茄子の味噌汁が冷めていく…
でも尿瓶がすぐ近くにあるため食べるわけにも…
ナースステーションに尿瓶を持って行こうかしら。
でももし途中で転んだら地獄だしな、とか考えつつ、尿瓶を眺めて過ごす。
19:30
息子、この日はもちろん夕飯なし
コンビニで買っておいた「なめらかプリン」を一口食べて掠れた声で(生クリームみたい!)
と感動をあらわす。
いいぞ、その調子だ!
21:00
「お母さんのベッドは?え?昨日持って来なかった?」と、就寝前に様子を見に来てくれた看護師さんが急いでセッティングしてくれた。
しかし、ベッドが狭い。
でも寝床があるだけありがたいことだ。
⚪︎しかも、謎の手形つき。ホラーかよ!
(もちろん、何の現象も起きませんでした)
消灯後、兄とこっそり電話。
今日もさみしくて不安で泣いたらしい
わかる、さみしいよね。
弟はがんばったよ!大丈夫だよ!
息子は19時過ぎに目覚めてから、
そこから痛みでなかなか寝付けず。
だけど話せるわけではないので、
ひたすら静かに泣いていた。
次々とこぼれる涙を拭ってあげながら、
22時に投与される痛み止めをひたすら待った。
息子は22時過ぎに寝たが、
私はその後、23時と、23時半、2時、4時、5時と、点滴が終わるたびに鳴るアラームでうとうとしては目が覚めた。
(鳴ったらナースコールを押して来てもらわないとアラームが止まらない)
このアラーム音で息子が起きませんように、と毎回ドキドキしたが、
意外と起きなかった。
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