わたしのあたまのなか

わたしのあたまのなかの言葉を書きたい時に書く場所。覚えておきたい出来事やお出かけの記録、おいしいものについてもよく書きます。

映画 SEARCH

初めはエアロバイクの時間に観る映画やドラマを探して辿り着いたのがきっかけだった

 

Netflixがこの映画と私にマッチするのは74%と弾き出していた

うーん、低いのか?

でもまあ観てみるか

サブスクのいいところはこうやって観てダメなら次に進めるところだ

これがレンタルなら大きな賭けになるところだから

 

さて、始まってみると

全てのシーンがパソコンや携帯の画面越しであることに驚く

音声、映像、名前、映画に出てくる全ての情報が

例えばFaceTimeや、Googleのメールや、インスタのムービーなどの画面越しなのだ

 

そうか、こういう撮り方もあるんだなあ

それでも普段日常生活で見慣れた画面であるせいか、全く違和感も滞りもなく進んでいった

 

 

 

物語は、料理上手な妻パムと、家族想いの夫デヴィット、そして愛らしい娘マーゴットの三人家族の幸せな日常の写真から始まる

マーゴットの初めての幼稚園、初めてのピアノ…

マーゴットの成長とともに幸せに包まれる写真が続くがある日、パムのリンパ癌が発覚

それでも家族の愛は満ち溢れ、共に病魔と戦うが、パムがこの世を旅立つと、いつしかムービーや写真の更新は減り、残された父と16歳の娘の会話は主にメールとなっていく

ある日、いつものようにメールをしてもマーゴットからの返信がないことに焦りを覚えたデヴィット

放課後通っているはずだったピアノ教室に連絡すると、半年も前にやめていることが判明

マーゴットはどこに行った?

 

 

 

この映画のすごいところは撮り方ももちろん、現実の日常生活に完全に溶け込んでいて、どこででも誰にでも起こりうるところ、だと思う。

10代の子どもの全てを親が把握などできるものだろうか

例えGPSで位置を常に掴んでいても、そこでの会話など知ることができない

さらに、それがSNS上の関係ならもう親は入り込めない

同じ家に住んでいて、メールだとしても会話はある。小さなころのように顔を見れば何を考えているのかわかる、はずだった。いつも誰と遊んでいるのか知っている、はずだった

しかし、いつしか子どもの世界は親の想像以上にきっと広がっているのだ

手を離していても、心は離していない

そんなつもりでいたとしても、蓋を開けてみれば、子の友達関係や昼ごはんを一緒に食べている友達など、知りえないのだと実感した

 

 

 

さて、この映画は子どもの行方不明に憔悴する親、というだけには留まらないのが、すごい映画と感じるもう一つの理由だ

SEARCHというタイトル通り、その広い子どもの世界を検索して辿りつく真実

年齢を重ねていくにつれ、親は子どもの全てを知り尽くせない、

だがしかし、それでも親は子どもとの心を離すわけにはいかないのだ

 

 

 

物語の進み方も非常に早く、

あー!もどかしい!と感じることなく事件が紐解かれていく様子が爽快である

また普段見慣れたネットの画面がいっぱいに広がったまま進むので、

違和感もなく逆に現実味が帯びて引き込まれていく

カメラがあちこち移動しなくとも、パソコンの固定カメラ、携帯のインカメ、防犯カメラなどだけでもこんなにも臨場感を味わうことができるのか!と思える新しい映画だと思う

 

 

 

私は今まだ10歳未満の子どもを育てているが、彼らが成長して、自分でその世界を大きく広げ始めた時、私はどこまで彼らの交流関係や思想や悩みを理解してあげられているだろうか

何かが変わった瞬間を見逃さずに、ちゃんと手や耳を貸してあげられるだろうか…

そんな大きな課題も与えてくれた映画である

 

 

 

映画 SEARCH

監督 アニーシュ・チャガンティ

出演 ジョン・チョー、デブラ・メッシング